近年、趣のある中古物件を自分好みにリノベーションして暮らすスタイルが日本でも人気を集めている。しかし、手頃な価格やデザインの魅力に惹かれて手に入れたその家が、もし「いわくつき物件」だとしたら……。
壁一枚、床一枚を隔てた向こう側に、前の住人のどんな秘密が隠されているか、私たちは知る由もない。これから紹介するのは海外で実際にあった話だ。何気ないリフォームをきっかけに、封印されていた過去の悪夢が顔を出し、我が家が突如として恐怖の舞台に変わってしまった背筋も凍る5つの発見。もし、これが自分の身に起こったらと想像しながら読んでみてほしい。
1. 暖炉の裏に隠された白骨遺体

2010年、フランスのナントで、ある一家が田舎の家のリフォームをしていた時のことだ。業者が近代的な暖炉にするため、古い石造りの暖炉を壊し始めると、石壁の裏に奇妙な空洞があることに気づいた。中を覗き込んだ彼らは、その狭い空間にぎゅうぎゅうに詰め込まれた白骨遺体を発見し、言葉を失う。
家自体は何世紀も前のもので、当初は中世の埋葬かと思われたが、すぐにその線は否定された。法医学的な調査により、遺体には20世紀後半のものとみられる衣類の繊維や歯の詰め物が残っていることが判明したのだ。
やがて遺体は、1987年に行方不明となっていた、以前の家主の妻ブリジット・ジャルベールさんのものであると特定される。当時、夫は「妻はベルギーへ去った」と隣人に語り、事件は単なる家出として処理されていた。しかし数十年後、この発見によって捜査は再開。名前を変えリヨンで暮らしていた夫を突き止め、尋問の末、彼は口論の末にブリジットさんを殺害し、遺体を暖炉の裏に隠して家を売り、姿を消したことを自白した。
最も恐ろしいのは、20年以上にわたり、何組もの家族がその暖炉を囲んで食事をし、祝い事をし、すぐ数センチ先に腐乱した遺体が隠されているとは夢にも思わずに暮らしてきた、という事実だろう。