加えて報告書では、計4枚の羽をもち、スマートフォンによるリモート操作にも対応したバージョンが現在開発中とのこと。
この蚊サイズのドローンについて、NUDTの研究者は、「特に戦場での偵察や特殊任務に適している」と述べています。
では、NUDTの述べる「蚊サイズのドローンによるスパイ活動」はどれほど現実的なのでしょうか。
蚊サイズのドローンが抱える課題!?スパイドローンがもたらす波紋

蚊サイズのドローンが実際の場面でどのように利用できるか考慮してみましょう。
まず考えられるのが、これまで以上に偵察・監視ミッションが容易になるということです。
都市部や建物内部、密林や洞窟など、従来のドローンでは侵入が難しかった場所でも、蚊サイズであれば無理なく入り込むことができます。
また、音も極めて小さいとされ、対象に気付かれずに任務を達成できるはずです。
さらに、仮にこの技術が一般にも転用されれば、救助活動や災害時の捜索活動に大きく貢献できるかもしれません。
崩壊した建物の隙間に入り込んで生存者の小さな声や呼吸の音を拾ったり、微弱な体温を検知したりできれば、まさに「命を救う蚊」となる可能性もあります。
とはいえ、私たちが感じているように、現段階では実用化に向けた課題が多く残されています。
今回の発表を受けて、海外の軍事専門家は「このサイズでは通信・電源・制御の面で実用性には限界がある」とコメントしています。

「ブラックホーネット」などの既存の小型ドローンと比較しても、今回のドローンは実用段階にはまだ至っていないとの冷静な見方も存在します。
NUDTの蚊サイズのドローンにカメラやマイク、センサー、バッテリーを搭載し、スパイ活動で要求される飛行時間を達成できるかも疑問です。