近年の戦争や軍事活動において、ドローンは「空の目」として重要な役割を担う存在となっています。
大型の偵察ドローンから小型の自爆ドローンに至るまで、各国はさまざまな形態の無人航空機を駆使して情報収集や攻撃を行っています。
そんな中、中国の国防科技大学(NUDT)が、なんと「蚊サイズのスパイドローン」を開発したと発表しました。
このドローンはあまりにも小さく、遠くから見る限りでは、本物の蚊と見分けがつかないレベルだといいます。
この発表は中国の軍事専門チャンネル「CCTV‑7」で公開され、世界中のメディアや専門家たちの注目を集めています。
目次
- 中国で「蚊サイズ」のドローンが開発される
- 蚊サイズのドローンが抱える課題!?スパイドローンがもたらす波紋
中国で「蚊サイズ」のドローンが開発される
従来、軍事で使用されるドローンといえば、翼幅数メートルにもなる大型のものや、手のひらサイズの小型機が一般的でした。
たとえばアメリカやイギリスでは、ノルウェー製の「ブラックホーネット」という小型偵察ドローンが実際の作戦で使用されており、兵士の携帯が可能なサイズながら、映像や音声を送信できる能力を持っています。
しかし、今回中国が発表した蚊サイズのマイクロドローンは、これまでの「小型」という概念を根底から覆します。

本ドローンのサイズは全長0.6〜2cmと報告されています。
1cmほどの蚊も存在するため、遠くから見れば「大きめの蚊」と見分けがつかないサイズと言えるでしょう。
形状も本物の蚊に酷似しており、羽ばたくための2枚の羽と細い脚を持ち、あらゆる方向に柔軟に動くように設計されています。
従来のプロペラ式推進ではなく、羽ばたき飛行を採用しており、静音性の高い飛行を可能にしています。
この小型ドローンの内部には電力システム、小型センサー、制御電子機器が詰まっていると言われています。