このような制度のもとで生徒がどう振る舞っていたかといえば、「先生にウケる子」が高評価を受け、授業中の発言や態度を意識的に演出するようになっていました。いわば、学校教育が「品行方正コンテスト」のようになり、形式的な管理教育の強化に拍車をかけていたのです。

文科省は、今回の見直しによって「評価材料集めの負担を軽減する」と説明していますが、これは教員側だけでなく、生徒側の心理的負担も軽くすることにつながります。

特に通知表は本来、子ども自身が自らの学びを振り返り、改善のヒントを得るためのものですが、現行制度では「成績を上げるための行動」を強いる道具に変質していました。