他、2021年の東京オリンピックでは、日本テレビのクルーによる卓球の試合中のカメラのフラッシュが選手に影響を与え注意を受けていたように、最も配慮されるべき選手ですらぞんざいな扱いを受けているといったことは枚挙にいとまがありません。

こうした『取材対象者の安全』については、放送連盟は何らも対処しないのでしょうか?少なくとも今回のような声明は出されていませんし、今回の声明でも、放送の登場人物の中で『取材対象者の安全』だけが無視されているのは、いったいどういうことなんでしょうか?

災害時の現地報道での負担や対立を生み出す誤認識の拡散

さらには、災害や事故現場の周辺環境や地域への風評加害行為についても、テレビ局が加担した例もあります。

雲仙・普賢岳の火砕流によって死者が発生した事案では、報道関係者が、住民避難で人が居なくなった住居に侵入して電気窃盗する事案が発生したために消防団員などが危険区域に戻らざるを得なかったなど、犠牲者の大半が報道関係者の行動に起因したものと言えるような実態が報告されています。

福島第一原発事故に関しては無数の事例があります。

放射線に関するファクトチェック番組を企画したら現場を外されたという暴露があったり、センセーショナルな見出しで無理筋の計算をした被爆の可能性を報じたり、処理水の海洋放出に関して風評加害を払拭せずむしろ助長するような放送をしていたこともありました。

令和7年7月現在で進行している事案としては、トカラ列島近海の地震に関連して鹿児島県十島村が報道関係者に取材が住民への負担となっているため配慮を求めざるを得なくなっている、という状況が発生しています。

(報道の皆様へ・現地への配慮のお願い)十島村での地震について – 十島村役場公式サイト 2025年07月02日

「地域住民や行政への負荷を軽減するための取り組み」とか、災害報道なんていくらでもしてきたはずで、そういったものの発信があって然るべきなのに、まったく見当たらないですよね。

取材者やスタッフ等への攻撃の呼び水となっている被害者しぐさ