参加者は、架空の15通のテキスト会話(送信者と返信者のやりとり)を読むように指示されました。

各会話には2つのバージョンがあり、内容は同じですが、返信に絵文字が「あるもの」と「ないもの」に分かれていました。

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絵文字なしと絵文字ありのテキストで、それぞれの印象を評価 / Credit:Eun Huh(UT Austin), PLOS One(2025)

全15通の会話に対してそれぞれ一つのバージョン(絵文字あり・なし)が無作為に割り当てられ、偏りがないよう設計されていました。

参加者は送信者になりきり、相手(返信者)への印象を評価しました。

評価項目は、応答性(相手が自分にどれだけ関心を持ってくれているか)、好感度(感じの良さ)、親密さ(どれくらい近しい関係だと感じるか)、関係満足度(この相手と良好な関係が築けそうか)などです。

評価には1〜7のリッカート尺度(「全く当てはまらない」「やや当てはまる」などから選択する評価法)が使用され、全ての会話について同じ基準で比較が行われました。

絵文字を使うと相手との関係が良くなると判明!

調査の結果、絵文字付きの返信は、絵文字なしの返信よりも『応答性が高い』と評価されました。

絵文字があることで、相手が自分に気を配り、感情的にも関わってくれているように感じられる傾向が強まったのです。

この「応答性の高さ」は、さらに「親密さ」「関係満足度」にも良い影響を与えることが確認されました。

つまり、絵文字を使うことで、相手との距離感が縮まり、関係への満足感が高まるというわけです。

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実験で使用された絵文字。絵文字の種類に左右されず、人間関係は良くなる / Credit:Eun Huh(UT Austin), PLOS One(2025)

一方で、使われた絵文字の種類(顔文字か、記号・オブジェクトか)による効果の差は統計的に有意ではありませんでした。

『にっこり笑う顔』でも『紙吹雪』でも、文脈と一致していれば、どんな絵文字でも「相手がこちらに気を配ってくれているという感覚」を高めていたのです。