納税義務者は、各事業年度の所得に対して法人税を課される法人が対象となります。

しかし、中小企業に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から500万円が控除されます。

この基礎控除により、自民党の見込みでは、今回課税される法人は全体の6%〜7%程度であり、残りの9割以上の法人には影響がないと報じられています。

実質的には、法人所得800万円以下の所得部分が多い中小法人については、大半が課税されない結果となると見込まれています。

なお、防衛特別法人税が適用されるであろう法人の法人税の税率23.2%ですから、その4%を乗じると約0.928%となります。

もし課税対象となる場合には、その対象部分について、課税所得の1%弱の増税に相当することになります。

計算例で見る実際の負担額

ケース1:課税所得2,400万円の中小企業の場合

中小企業の場合、年800万円以下の所得は税率15%、それ以上の所得は税率23.2%が適用されます。

法人税額

= 800万円 × 15% + (2,400万円 - 800万円) × 23.2% = 120万円 + 371.2万円 = 491.2万円

この基準法人税額491.2万円は、基礎控除額500万円を超えません。

したがって、防衛特別法人税額は0円となります。

ケース2:課税所得5,000万円の中小企業の場合

法人税額

= 800万円 × 15% + (5,000万円 - 800万円) × 23.2% = 120万円 + 974.4万円 = 1,094.4万円

この基準法人税額1,094.4万円から基礎控除額500万円を差し引きます。

防衛特別法人税額

= (1,094.4万円 - 500万円) × 4% = 594.4万円 × 4% = 約23.8万円

この場合、基準法人税額のうち500万円を超える金額に対して4%が課税されることになります。

税効果会計の実効税率に影響も

防衛特別法人税が「税効果会計」の計算にも影響を与える部分もあります。