つまり、ケトジェニック食は「病気の治療食」ではなく、むしろ「脳を最適化する食事法」としての可能性を秘めているのです。

この研究はまだ少人数で短期間の結果ですが、それでも「食事が脳にこれほど強く作用する」ことを改めて示した重要な報告です。

炭水化物を控え、脂質を主なエネルギー源とすることで、脳はより多くの血液を受け取り、より強く活性化される可能性があるのです。

もちろん、ケトジェニック食は万人向けではありません。

医師の監修なく無理に実施することで何らかの問題が起きる可能性もあり、持病や体質によっては合わない人もいます。

しかし脳の健康維持や集中力の向上を目指す人にとっては、選択肢の一つとして注目に値する食事法といえるでしょう。

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参考文献

Ketogenic diet raises brain blood flow by 22% and BDNF by 47% in new study
https://www.psypost.org/ketogenic-diet-raises-brain-blood-flow-by-22-and-bdnf-by-47-in-new-study/

元論文

A 3-Week Ketogenic Diet Increases Global Cerebral Blood Flow and Brain-Derived Neurotrophic Factor
https://doi.org/10.1210/clinem/dgaf207

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部