糖質制限と聞くと、「ダイエットの一種」と思う人が多いかもしれません。
しかしデンマーク・オーフス大学病院(AUH)の最新研究では、炭水化物を控えることで「脳の血流が劇的に改善する」ことが明らかになりました。
日々の献立から「炭水化物」を減らすだけで、脳のパフォーマンスが高まり、神経の働きを助ける重要なタンパク質まで増えるというのです。
これはもはや減量テクニックではなく、脳の健康を守る“戦略的食事法”と呼べるかもしれません。
では、その仕組みとは一体どのようなものなのでしょうか?
研究の詳細は2025年4月2日付で医学雑誌『The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』に掲載されています。
目次
- 炭水化物を減らす「ケトジェニック食」とは?
- たった3週間のケト食で脳血流が22%アップ
炭水化物を減らす「ケトジェニック食」とは?
通常の食事では、脳は主にブドウ糖(グルコース)をエネルギー源としています。
しかし炭水化物の摂取量が大幅に減ると、身体は「ケトーシス」と呼ばれる代謝状態に入り、肝臓が脂肪を分解して「ケトン体」という物質を生成します。
これらのケトン体は血液脳関門を通過し、代替エネルギー源として脳に供給されます。
こうした食事を「ケトジェニック食」と呼びます。
ケトジェニック食は具体的に、炭水化物の摂取を大幅に減らし、代わりに脂肪を多く摂取するという食事法です。
これにより、体が糖の代わりに脂肪を燃やし、ケトン体という物質をつくって、これがブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源として働くのです。
ケトーシス状態になることで、体は効率よく脂肪を分解し続け、血糖値の急上昇や急降下を避けることができます。
それにより、集中力や精神的な安定感が高まるともいわれています。

では、どんなものを食べればケトーシスに入れるのでしょうか?