不動産価格の問題もあります。世界の主要都市に比べ半分以下で買える物件も多いのです。そして私のようなオタク系になると旗竿物件といった再建築不可物件や借地権物件など誰も手出ししないものが信じられないほどのバーゲン価格で手に入るチャンスを見出しています。(さすが事故物件だけは敬遠します)。一般向けではない複雑な土地や所有関係は専門の業者にはうまみ倍増で掘り出し物的な要素もあります。
そして不動産投資マネーは海外からです。世界をうろつくマネーは様々な種類があり、不動産取得を目的としたマネー、特に海外の年金基金がバックについているケースが結構あり、巨額の取引が成立しやすくなっています。一部のファンドは日本向けの投資目標額をかなり大きく設定しており、担当者は血眼で物件を探しているというのが実情です。(買わないと実績につながらないので無理に買っているなという印象の大型取引も散見できます。)
また建築費が高騰していますが、このあたりも外国での建築に比べればはるかに安く、はるかに工期が短く、はるかに品質が良いことは知る人ぞ知る事実です。これらが主導するマネーと機運が東京の不動産を更に上昇させやすいとも言えましょう。
80年代のバブルは不動産と株価の上昇をもたらしたことが主因とされますが、現在の不動産価格上昇は既に10年ぐらい続くトレンドなので長い目で見れば不動産長者は相当出てきているはずです。当然ながら懐が緩んで景気の底支えになりやすいとも言えそうです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年7月3日の記事より転載させていただきました。