英国ロンドンではロンドン子が10年以上も前から郊外に脱出し続けているし、バンクーバーでも白人はバンクーバー島などに移住する人は着実に増えています。理由は街中が住みにくくなるからです。「お隣さんは外国人」というのはロンドンやバンクーバー、ニューヨークなど国際都市では当たり前の光景であり、それは社会や経済の根幹をなすものであり、受け入れざるを得ないのです。ところが、自分の隣人になるのはちょっと気が重い、という生粋の地元育ちの人は多いのです。ならば自分が逃げた方が早い、というわけです。

私の経営するシェアハウスや外国人向けアパート、更に通常のアパートの住民を見る限り、若い人がワークライフバランスを取ろうとしている様子も窺えます。特に「ライフ」の部分は自分の好きなことをする時間を職住接近によって実現させているわけです。通勤で片道1時間半、往復で3時間かけるならちょっと家賃が高くても往復1時間以内がベストだし、それならば他の人より一日2時間、好きなことに使えると思えばお金に変えられない価値があるというものです。

一方、都心のライフが子育てを含めたファミリー層に向いているかといえば一般的には向かないと申し上げてよいと思います。住環境が悪すぎで、緑もなく、ファミリー向きの健康さが都心には少ないのです。湾岸地区の高層マンションは私にはとてもファミリー層の教育や生活環境に向いているとは思えないのになぜあれほどの人気なのか理解に苦しむものがあります。

では不動産の話。実は外国から見ると若い人が多く、人流がはるかに高いレベルの都心は不動産の魅力が非常に高いのです。 理由は賃借人が短期間だったりドライな人が多く、居住地に固執しないため、不動産の流動性も高くなりやすいのです。なので地上げをして開発がしやすい点はあります。また都内は相続絡みの売り物件がコンスタントに出ます。要は相続税を払うために不動産を売る人が常時あるのです。そしてそれらにはなかなか手に入りにくい物件が多いのも事実です。