夜間にチーズを食べてから寝たとき、奇妙な夢や不気味な悪夢を見たことはありませんか?
「そんなの迷信だ」と思うかもしれませんが、最新の研究によって、この現象には科学的な裏付けがある可能性が示されました。
カナダ・モントリオール大学(University of Montreal)により、「ある体質」を持つ人が夜にチーズなどの乳製品を摂ると、悪夢を見るリスクが高まることが明らかになりました。
つまり、夜のチーズが“悪夢スイッチ”になるかもしれないのです。
研究の詳細は2025年7月1日付で科学雑誌『Frontiers in Psychology』に掲載されています。
目次
- チーズで悪夢を見る?鍵は「乳糖不耐症」
- チーズが悪夢を呼ぶメカニズムと体質のリスク
チーズで悪夢を見る?鍵は「乳糖不耐症」
この研究は、カナダの大学に通う1,000人以上の学生を対象に行われました。
調査では、参加者の食生活、睡眠の質、夢の頻度や内容、さらには乳糖不耐症や食物アレルギーの有無などが詳細に記録されました。
その結果、全体の約40%が「特定の食べ物や夜遅い食事が睡眠に影響する」と回答しており、特に甘いもの、辛いもの、そして乳製品が「眠りを悪化させる」と感じている人が多いことが分かりました。
さらに、全体の5.5%の人が「食べ物が夢の内容に影響を与える」と報告しており、そのうち最も多く挙げられたのがデザート(甘いお菓子)とチーズなどの乳製品でした。
これらは夢をより不気味に、奇妙に、あるいは不快にする傾向があったというのです。

とくに注目すべきは、「乳糖不耐症」を持つ人々が、睡眠の質の低下や悪夢の頻度の増加と強く関連していた点です。
乳糖不耐症とは、乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を体内で十分に分解できない体質のことで、腹痛や膨満感、ガスなどの胃腸症状を引き起こします。
乳糖不耐症がある人は、牛乳を飲むとお腹を下しやすいです。