多くの人は、「良い人」や「親切で信頼できる人」が好まれると思っていますが、クールな人というのは必ずしも常識的で模範的な人物像に収まるわけではありません。

むしろ、多少の型破りさや大胆さを持っていて、既存のルールや常識に縛られない自由な魅力を持つことが重要なのです。

とても真面目で親切な人でも、独特の個性や自由な精神が欠けていれば「クール」とは感じられないでしょう。

逆に、少しルーズでも個性的で大胆な人が「なんだか魅力的だ」と感じられることもあります。

これはつまり、「クールさ」とは社会的な好感度以上に、その人が持つ独自性や新鮮な価値観に深く結びついているということを意味しています。

今回の研究結果は、さらに興味深い傾向も明らかにしました。

かつて「クール」といえば、どこか無口でニヒルな、感情を表に出さない人物像が一般的でした。

しかし現代では、むしろ人前で堂々としており、周囲に明るくエネルギッシュな雰囲気を与える人がクールだと感じられる傾向にあります。

つまりクールさというのは時代と共に変化し、今や「静かにキメる」よりも「明るく魅せる」スタイルの方が支持されるようになったということです。

また、クールな人の社会的役割も重要です。

クールな人は必ずしも権力やお金があるわけではないのに、その独自の魅力によって周囲から一目置かれる非公式なリーダーのような存在になっています。

彼らの大胆で個性的な態度やスタイルが周囲の人に影響を与え、結果として新しい文化や流行を生み出していくことがよくあります。

つまりクールな人は社会の新しいトレンドをつくり出す原動力であり、文化や社会全体を前進させる可能性を持つ人々なのです。

ただし、クールさには一定のリスクも伴います。

クールな人が型破りな魅力を持つ一方で、度が過ぎた行動や常識を逸脱した振る舞いは「クール」ではなく「危険だ」「問題だ」と受け取られることもあるからです。