一方で、クールな人には、必ずしも模範的とは言えないような反骨的で快楽的、時に型破りな魅力があることが多かったのです。
もちろんクールな人が嫌われるというわけではなく、多くの人からある程度好かれていることが条件ですが、「クールであること」は必ずしも「善い人」と同じではなかったのです。
さらに驚くべきことに、こうした「クールな人の条件」は、調査対象となったどの国でもほぼ変わりませんでした。
これはクールさというものが、世界中で共通の意味を持つ普遍的な概念に成長したことを示しているのかもしれません。
それでは、なぜ国や文化を越えて、「クール」と感じる人物像がここまで一致しているのでしょうか?
私たちはなぜ『クールな人』を求めるのか?

今回の研究によって、「クールさ」とは世界中で共通して理解される、明確な6つの性格特性によって決まっている可能性が示されました。
つまり私たちが何気なく「あの人、かっこいいな」と感じる感覚には、実は文化や世代を超えた共通の理由があったのです。
なぜ私たちは、これほど「クールな人」に惹きつけられるのでしょうか?
研究者たちは、クールな人々は単に外見や態度が魅力的なだけではなく、社会全体に新しいアイデアや価値観をもたらす重要な存在だと言います。
人々が「クールでありたい」と願うのは、単に周りから良く見られたいというだけでなく、自分自身が新しい時代をリードする一人になりたいという潜在的な欲求があるからかもしれません。
つまり、「クールな人」とは社会の常識や慣習に挑戦し、新しい道を切り開く先駆者のような存在なのです。
しかし、この研究から見えてきた重要なポイントは、「クールであること」と「善い人であること」は必ずしも一致しないということです。