その後、この言葉は世界中に広まりました。
1950年代や60年代の映画や音楽、そしてファッションを通じて「クールさ」は一般的な概念となり、現代ではほぼ全世界で通じるほど一般化しています。
しかし一方で、多くの人々が使うようになり、商品や企業の広告にも頻繁に使われるようになったことで、「クール」の概念が本来持っていた反骨精神や尖った部分が弱まったという意見もあります。
それでも研究者は、「クールさはその本質を失ったわけではなく、むしろ時代に合わせて変化し、社会的な影響力を強める新たな機能を獲得している」と指摘しています。
とはいえ、「クール」という言葉の意味は、人によって少しずつ異なります。
ある人にとっては「クールな人」は誰にでも好かれる善良な人気者ですが、別の人にとっては少し危険で反抗的、あるいは独特な個性を持つ人かもしれません。
つまり「クール」の定義は曖昧で、私たちが「なぜクールだと感じるか」についても明確な基準がありませんでした。
そこで今回の研究研究者たちは「クールな人」に共通する価値観や性格特性を明らかにしようと考えました。
私たちが無意識に感じ取っている「クールさ」とは、具体的にどんな要素によって決まるのでしょうか?
文化を越えて一致する『クール』の条件とは?

私たちが無意識に感じ取っている「クールさ」は、一体どんな要素から生まれるのでしょうか?
その答えを得るため研究者たちはまず、世界各地のさまざまな国に住む人々にアンケート調査を行うことにしました。
研究者たちが対象にしたのは、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、南アフリカ、スペイン、インド、トルコ、メキシコ、中国(香港を含む)、チリ、韓国、ナイジェリアの13か国、約6,000人もの人々でした。