看過できない点は、新興技術の悪用だ。テロリストや暴力的過激派は、多様な技術を悪用し続け、そのノウハウのレベルは多岐にわたる。暴力的過激派コンテンツの単なる複製・共有から、AI生成コンテンツの制作、没入型技術の活用、高度なデジタル資金調達ツールの活用まで、その範囲は多岐にわたる。プロパガンダやヘイトスピーチの作成・拡散を目的とした生成AIの利用は、特に右翼シーンにおいて前例のないレベルに達している。暗号通貨はテロ資金調達に引き続き利用されており、伝統的なハワラ・システム(Hawala非公式金融網)をデジタル化した「デジタル・ハワラ」においても重要な役割を果たしている。

オランダ、ハーグにあるユーロポール本部 Wikipediaより
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年7月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。