また、マグナス・ブルンナー欧州委員会内務・移民担当委員は「TE-SATは、テロリズムと暴力的過激主義が依然として深刻な脅威であることを明確に示している。若者の過激化と、テロリストや過激派によるオンラインプラットフォームの悪用については、特に警戒を怠ってはならない。EUのテロコンテンツオンライン規制は既に効果を発揮しており、テロリストや過激派のコンテンツを迅速に削除するのに役立っている。ProtectEUでは、これらの脅威やその他の脅威にさらに効果的に対抗するための計画をまとめている。今年後半には、今日の課題に適応した新たなテロ対策アジェンダを提示するとともに、EU域内の人々の保護を強化するため、EU近隣諸国との協力を強化する。また、EU市民を憎悪や過激化から守るため、オンラインプラットフォームとの協力を継続する。これは、特に子どもなど、最も脆弱な立場にある人々にとって重要だ」と強調している。

報告書は「暴力を扇動するオンラインコミュニティの脅威」を強調している。2024年にテロ関連犯罪で逮捕された容疑者のほぼ3人に1人は、未成年または若年成人だ。最年少の犯罪者は12歳で、テロ襲撃を計画していたとして逮捕された。

最近の殺人事件や襲撃事件の一部は、オンラインカルトコミュニティとの関連性が指摘されている。これらのコミュニティは、デジタルプラットフォームを利用して極度の残虐行為を共有・常態化し、被害者から金銭を強要し、若者を暴力行為に駆り立てる過激化を助長している。これらのグループのメンバーは、平均年齢8歳から17歳までの脆弱な未成年者を特に標的としている。これらの暴力グループの多くは、ジハード主義テロ、暴力的な右翼過激主義、オカルト、悪魔崇拝とイデオロギー的なつながりを持っている。

また、EUの安全保障に影響を与える地政学的動向について、ガザ紛争は、EUにおけるテロの脅威に引き続き大きな影響を与えている。インターネット上のテロリストや暴力的過激派によるプロパガンダは紛争を道具化し、憎悪を煽り立て、反ユダヤ主義は両者の共通項となっている。ロシアによるウクライナ侵略戦争は、暴力的過激派の言説の拡散、過激化、そして動員を促進するもう一つの要因となっている。また、報告書はアサド政権崩壊後のシリアの民主化への動向にも注意を払っている。