以上に述べた通り、共産党の衰退は何も日本共産党だけではないことが明らかである。これらの共産党の共通点はいずれも高度に発達した先進資本主義諸国の共産党であることである。したがって、前述した理由により、今後も資本主義が発達し高度化すればするほど、共産党の衰退は避けられず、これは歴史的必然であると言えよう。
共産党がこれを克服するためには、理念として、何よりも「自由と民主主義」に根本的に矛盾する「プロレタリアート独裁」(共産党一党独裁)の概念を放棄すること、暴力革命の手段としての「敵の出方論」(不破哲三著「人民的議会主義」)を放棄すること、党最高幹部への権力集中と独裁をもたらす「民主集中制」(党規約3条)を放棄することである。
共産党は、このような根本的な構造改革を行い、社会民主主義政党に脱皮し、党名もそれにふさわしい「日本民主党」に改名すべきである。
そして、具体的政策としても、日本共産党改め「日本民主党」は、日本の安全保障に必要不可欠な抑止力である日米安保と自衛隊を認め、大企業敵視政策を改め、日本経済の成長発展に必要不可欠な企業の技術革新と生産性向上を認め、日本の国際競争力強化を認める必要がある。リニア中央新幹線建設反対や半導体企業への政府資金投入反対など、日本経済の構造改革や日本経済の成長発展を阻止してはならないのである。
このような、根本的な構造改革により、日本共産党改め「日本民主党」は、国民の支持を拡大し、政権参加への道も開けるであろう。