お客様のこの悩みを解消するには、IBMの強みであり、従来訴求し続けてきた「コールセンター統合力」を、改めて強力に訴求し続ける必要がある、と納得しました。
そこで私は「コールセンター統合力」をより強力に訴求し続けることにしました。
しかしこの方針に対して、チームから反対があったのです。
「コールセンター統合なんて、今まで我々は散々言ってきた。お客さん、もう飽きてるよ」
こうした反論に対して、私は丁寧に説明をした上で、市場全体にコールセンター統合力をアピールするマーケティング施策を展開しました。
確かにIBMの営業がアプローチしている企業のお客様には「コールセンター統合力」はそれなりに訴求できていました。しかし現実には、市場全体ではあまり認知されていませんでした。
結果として、この市場でIBMの認知度は大きく上がり、もともとトップだった市場シェアもさらに上がりました。
体験その②:インプラントのきぬた歯科(2024年)関東に住んでいる人は、ピンク・黒・黄・青という鮮やかな色を駆使して「インプラント きぬた歯科 西八王子駅前」と大きく書かれた看板を、様々な場所で目にしたことがあると思います。
昨年の2024年11月、私が主宰する『永井経営塾』のゲストライブで、この広告主である「きぬた歯科」のきぬた泰和先生と対談しました。
きぬた先生は、実に周到にマーケティングコミュニケーション戦略を考えておられました。
基本パターンは変えず、八王子市長選挙などがあると「八王子市長選挙、はじまるぞ! 今回も他人事でいいのか? おれはでないけど…」といったメッセージも出したりして注目を集めつつ、あの手この手で広告を出し続けています。
多くの人は、インプラントなんて滅多にやりません。 しかし一定確率で、いつかインプラントを検討する人がいます。
西八王子駅前の「きぬた歯科」に通える関東圏の人たちが、「インプラントしなければ」と思ったその時、真っ先に「西八王子のきぬた歯科」を想起してもらえるように、この大量の広告露出を行っているのです。だから「飽きられるほど」の広告露出を続けているのです。