事実、過去25年で海水温の上昇によるサイズ減少は理論上6%程度と予測されていましたが、今回のタラの縮小は48%という、まさに「進化的変化」です。

2019年から東部バルト海のタラ漁は全面禁止となりました。

しかし、いまだにタラの体サイズの回復は確認されていません。

これは人間の手で急速に引き起こされた進化を元に戻すには非常に長い時間がかかることを示唆しています。

タラがもとの大きさに戻るには何世代もの自然な繁殖を待たねばならないかもしれません。

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参考文献

“Shrinking” Cod: How Humans have altered the Genetic Make-Up of Fish
https://www.geomar.de/news/article?tx_news_pi1%5baction%5d=detail&tx_news_pi1%5bcontroller%5d=News&tx_news_pi1%5bactbackPid%5d=12123&tx_news_pi1%5bbackPid%5d=12123&tx_news_pi1%5bnews%5d=9917

元論文

Genomic evidence for fisheries-induced evolution in Eastern Baltic cod
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adr9889

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部