法と創造性の“交差点”としてのIVS AI

このネオクリエの背景には、AIの進化だけでなく、それを支える制度や社会的土壌の未整備という課題もある。そこに切り込むのが、弁護士として長年テクノロジーと法律の交差点に立ち続けてきた金子晋輔氏だ。
「生成AIの普及には、法制度の整備が必須です。著作権やデータ使用など、これまでの法律では対応できない問題が次々に生まれている。IVSでは、AI推進法などAI政策をリードする議員や法律家のセッションや、「人間中心のAI」の社会実装に関する博報堂のCAIO(最高AI責任者)やAIスタートアップGaudiyを招いたセッションなど、AIのグローバル展開に伴うおける法規制や戦略を議論するセッションを行います」
金子氏自身、シリコンバレーのテック企業を支援してきた経験を持ち、日本のAIスタートアップがグローバルに挑戦するための法的・戦略的な視点を発信している。
今回のIVS AIは、単なる技術イベントではなく、出会いとコラボレーションを促進する“仕掛け”が随所に張り巡らされている。そこには、AIの裾野が広がる今だからこそ必要な「多様性」への配慮がある。
「“平日に京都まで来て良かった”と思える体験を用意したい。AIビジネスの第一線にいる人はもちろん、これからキャリアや起業を考えている人にも次に繋がるヒントが得られる場にしたい」(金子氏)
ペルソナ設定も非常に幅広い。エンタープライズ企業のAI担当者、AIスタートアップの起業家、ジェンダーや地域を超えてAIでキャリアを切り拓こうとする個人、そして資金提供者や大企業の新規事業担当まで、多様な参加者が交わる設計だ。
さらに、グローバルAIハッカソン、「京都×AI」をテーマにしたAIスタートアップのピッチ登壇者との交流セッションなど、偶発的な出会いを“必然”に変えるための設計も進化している。