
●この記事のポイント 7月2日に開幕する「IVS2025」において、「AI」は大きな注目テーマとなっている。「IVS AI」ステージの共同ディレクターである國本知里氏は、AIを単なる技術としてではなく、「文化」として社会に定着しつつあると語る。同じく共同ディレクターの金子晋輔氏は、IVSはAIの目が届かない情報が得られる場所であると強調する。
オンラインで何でも手に入る時代に、なぜ多くのビジネスパーソンが京都を目指すのか――。今年も京都で開催される国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」。今年の目玉のひとつである「7つのテーマゾーン」。そのなかの「IVS AI」の仕掛け人たちが語るのは、AIが文化となり、そして「リアルな出会い」こそが未来を切り拓く鍵となるという、衝撃の事実だ。
あらゆる業界がAIと交わり始めている今、その最前線で何が議論され、何が生まれようとしているのか──。今年の「IVS AI」ステージの共同ディレクターの國本知里氏(Cynthialy CEO)と、金子晋輔氏(法律事務所Verse弁護士)に話を聞いた。
目次
AIは進化を越えて「文化」になりつつある
國本氏はこれまで7年以上にわたりAI領域に関わり、自らもAIを活用したワークトランスフォーメーションの実現を掲げる起業家として活躍してきた。「すべての女性がAIを使いこなせる社会」を目指す活動など、多様な分野でAIの普及に貢献している。
そんな國本氏が語るのは、単なる技術としてのAIではなく、「文化」として社会に定着しつつあるAIの存在だ。
「昨年のIVS2024で『Generative AI 起業家ピッチ』というLaunchpadの裏イベントをやったのですが、立ち見が出るほど盛況でした。当時は日本では話題の“端っこ”にあった生成AIが、今ではあらゆる業界と結びつき始めている。その変化の速さを肌で感じています」

今回の「IVS AI」ステージでは、新たに「NEOCREA(ネオクリエ)」というAIクリエイティブコンテストを開催。動画・画像・音声などの生成AIによる作品を募集し、トップAIクリエイターが、一堂に会する試みだ。
「日本は“アニメ大国”とも言われるほど、もともと優れた創作力を持っています。今や、AIというツールが一人一人に“武器”として与えられ、趣味レベルからプロフェッショナルまで一気に裾野が広がっている。そうしたAIクリエイターたちが産業と出会う場を作りたいと思ったんです」