コミュニティが生む“でっかい変化”

印象的なエピソードも多い。たとえば、介護福祉とエンタメを融合させる起業家が、IVSで世界的ラッパーと出会い、意気投合した話。人工子宮の研究をテーマにしたセッションでをきっかけに、初対面のキャピタリストが登壇者に投資を決めた話。社会課題に無縁だった企業が、ステージをきっかけに新規事業として社会起業家とPoC(実現可能性の実証/概念実証)を始めた事例。
「私たちは“リソースの流れ”を変えたい。寄付か補助金だけだった領域に、VCマネーや企業資金が入るようにしたい。その起点になりうるのがIVSなんです」
社会課題を“文化祭”のように語れる場
「文化祭みたいなんですよ、IVSって」
中村氏は笑いながらそう話す。だがその裏には、深い意味がある。
「社会課題って重たく語られがちなんです。でも、それを文化祭のように面白く、わちゃわちゃしながら、最高の仲間たちと作り上げる。そうすることで、難しさも含めて、希望に変えられるんじゃないかって思うんです」
彼女がIVSに参加する理由は、そこにある。自らの事業に新しい風が吹くこともある。同年代の起業家たちから刺激を受けることもある。そして何より、「魂を燃やせる場所」が、そこにあるからだ。
「人生が変わる」3日間に…『何でも行きます』のマインドセット
最後に、IVS参加を迷う読者に向けて、中村氏はこんな言葉を送る。
「人混みが嫌いでも、知らない人と話すのが苦手でも、3日間だけは“何でも行きます”って覚悟で来てみてください。京都に来てしまえば、逃げられませんから(笑)。その心構えさえあれば、きっと今後の人生が変わるような機会に出会えるはずです。
IVS2025、3日目の11:00-13:00は『ソーシャルゴールデンアワー』です!全6ステージでソーシャルなセッションが展開されます。セッション前後は3F「セントラルパーク」に集まってみんなでワイワイ話しましょう!」
社会課題は、“自分とは遠い世界”ではない。それを誰よりも楽しみながら証明しているのが、中村多伽という存在であり、彼女が創るIVSソーシャルなのだ。
(構成=UNICORN JOURNAL編集部)