しかし、「では、弊社にどんなことで貢献できますか?」と聞かれたときに答えられなければ、資格の効果は半減してしまいます。逆に「役に立たなかった」と思ってしまうでしょう。

そうなると、資格を取ることでできた自信までもなくしてしまうでしょう。しかし、その自信を失った理由は資格にあるのではなく、「資格をもとに自分をアピールできない自分」にあるのです。

たとえば、同じ「ソフトウェア開発技術者」でも、自分のITスキルを事例をまじえて紹介できる人と、ただ資格持ってますと言うにとどまる人では、印象がまったく異なります。

ですから、転職・就職の面接の際にも、資格の有無や差よりは、いかに自分をうまくアピールできるかのほうが重要です。月並みな言い方ですが、「資格を生かすも殺すも自分次第」なのです。

転職というのもひとつの選択肢ですが、私は、やはり最終的にはフリーランスで動くための準備をしておくべきだと思います。転職にも有利である面もあり、転職を否定するつもりはありません。「資格を取って転職すれば収入が上がる」という可能性はありますが、だからと言って、それが「安泰」ではありませんので、どうかご注意を。

横須賀 輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士 士業専門の経営コンサルタント。2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、のべ全国3,000名以上の士業から相談を受け、相談件数は優に2万件を超える。主な著作に『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業BIBLE』(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。最新刊『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。 X(旧Twitter) : @yokosuka_ai