よく考えて見れば当たり前ですが、自分がやりたくないことは、当然やる気が上がりません。

最後にもうひとつ。やはり戦略がないこと。私は、資格を選ぶ段階にある方、または資格取得後にどうしていいか悩んでいる方から相談のメールなどをいただくと、必ず「資格を取ってから、どういう状況を実現したいのですか?」と聞きます。

実はほとんどの場合、これに答えられないのです。つまり、自分の未来設計ができていない。ですから、資格を取ってからも宝の持ち腐れになってしまうわけです。

資格は取る前から戦略を練る必要があるのです。

「資格を取って転職」は本当に成功できる?

資格に関する別の落とし穴として、資格と転職の関係についてお話ししておきましょう。「転職に有利」とされる資格もたくさんありますが、本当に転職に有利なのでしょうか。

たしかに転職先に「簿記検定2級以上」や「TOEIC700点以上」などの条件があれば、当然転職にも有利になります。ところが、こうした条件提示をしていない会社でも、資格を持っていることは有効なのでしょうか。

スキル資格もステータス資格も自分自身の能力を示します。ですから、能力の高い人間として認められる可能性は高いと言えます。

しかしながら、私も人を採用する立場の人間であり、その立場から言わせてもらうと、実は人事担当だからといって資格に詳しいわけではないのです。

資格を持っていることでわかるのは、「なんとなく能力が高いんだろうな」ということです。むしろ、気になるポイントは「その資格があることで、何ができるのか? どんな結果を会社にもたらしてくれるだろうか?」。こちらのほうが重要で、さらにそのことを面接で伝えるコミュニケーション能力が必要であり、ただ黙って履歴書に掲載しておけば通るわけではありません。

資格を持っていることで、自信はつくと思います。さらに面接で「資格持っているんですね。すごいですね」と言われればうれしいでしょう。