「脳の病気は脳だけを見ていればいい」という時代は、終わりを迎えつつあります。

腎臓という一見関係なさそうな臓器が、脳神経の病気に関わっているかもしれないという発見は、私たちの体の仕組みの複雑さと深いつながりをあらためて教えてくれます。

日々の生活習慣、腎臓のケア、血圧や血糖の管理が、将来の神経疾患の予防にもつながるかもしれない。

では、腎臓をいたわるために私たちができることとは何でしょうか?

まず、塩分の多い食事や過剰な飲酒を控えること。こうした習慣は腎臓のろ過機能に負担をかけます。次に、血圧や血糖値を適正に保つこと。高血圧や糖尿病は、腎臓の血管をじわじわと傷つけていきます。また、日常的な運動や十分な水分補給も、腎臓の働きを助けてくれます。

さらに、市販の鎮痛薬を長期間使い続けることも腎臓にとってはリスクとなるため、安易な服用は避けたほうがいいかもしれません。

体の奥で静かに働く腎臓が、実は脳の病気を左右する可能性がある──。

この研究は、そんな目からウロコのようなつながりに気づかせてくれるのです。

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参考文献

Scientists uncover kidney-to-brain route for Parkinson’s-related protein spread

Scientists uncover kidney-to-brain route for Parkinson’s-related protein spread
https://www.psypost.org/scientists-uncover-kidney-to-brain-route-for-parkinsons-related-protein-spread/

元論文

Propagation of pathologic α-synuclein from kidney to brain may contribute to Parkinson’s disease
https://doi.org/10.1038/s41593-024-01866-2