これらの批判に対し、参政党は洗練された防御戦略をとる。彼らは主張そのものを否定するのではなく、「陰謀論」というレッテル自体を攻撃する。
党の主張を「陰謀論」として一蹴することは、体制側(政府、メディア)が不都合な真実を隠蔽し、正当な議論を封殺しようとする試みであり、「知的怠慢」であると反論する※43)。この修辞戦略は、自らを情報操作の被害者ではなく、勇敢な真実の探求者として描き出す効果を持つ。
興味深いことに、これらの論争は党にとって不運な副作用ではなく、動員戦略の中心的な要素となっている。主流メディアから攻撃されればされるほど、それは支持者に対して「強力で腐敗した体制が我々を黙らせようとしている」という党の中核的な物語を証明することになる。
攻撃はメディアの注目を集め、支持層を活性化させ、強力な内集団・外集団のダイナミクスを生み出し、忠誠心を育むのである。
5.3 論争の的となる主張の分析客観的な分析のため、参政党の主張と、科学的・事実に基づくとされる主流の見解を並べて提示する。
表 主要な論争的言説と主流の見解
主張(参政党による) 主流の科学的・政治的見解 関連資料
COVID-19ワクチンは危険であり、広範な死や後遺症を引き起こす。 主要な保健機関は、ワクチンの安全性と有効性を確認しており、稀な副反応のリスクは利益をはるかに下回ると結論付けている。 ※24
国際金融資本家(「グローバリスト」)が国策を秘密裏に支配している。 ロビー活動や企業の影響力は現実の政治問題だが、これはしばしば反ユダヤ主義的な比喩に依存する、過度に単純化された陰謀論的説明と見なされる。 ※45
WHO「パンデミック条約」は日本の主権を奪う。 支持者は、将来のパンデミックを防ぐための国際協力の枠組みだと主張。法的分析では、国内法を覆すものではないとされる。 ※19
無化学肥料・無農薬農業は国家レベルで実現可能な解決策である。 主流の農学では、大規模な人口を養うには非現実的であり、特定の「化学物質」の定義に依存するとされる。 ※11