情報はネットで取れるからいいというものではありません。情報の発掘・総覧性、情報の分析、解説、政策提言、公共の声の伝達といった機能は、他の情報媒体に比べ、まだまだ存在価値はあります。誤った情報、偏向報道があっても、新聞の持つ社会的機能は存続させる意義はあります。
紙に印刷することの限界、人手不足で個別配達も限界、「いつでもどこでも情報を取れる」という機能の欠如などを克服するには、いつまでも紙媒体の固執せず、デジタル化していくしかありません。その場合、販売店網、各地に持っている印刷工場などの整理統合が必要でしょう。
シンクタンク、研究所、大学などとの協働、記者と研究者の協力なども欠かせません。デジタル教科書に否定的であったり、AI技術(人工知能)、SNSの欠点ばかりあげつらい、紙媒体にしがみついているような経営姿勢の転換は不可欠です。そのためには、新聞経営の中枢に時代の中核的世代を据えることです。他業界に比べ、新聞社の経営陣が高齢化していることを懸念しています。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年6月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。