とはいえ、今回の研究にも限界があります。

被験者は若年で健康な成人に限られており、中高年や心疾患を持つ人に対しても同様の効果が得られるかは検証が必要です。

またカフェインによってパフォーマンスが向上した場合、結果的に仕事量も増加するため、運動終了時の負荷が増大するリスクに留意する必要があります。

それでも、この研究は暑い季節における運動時のカフェイン摂取に関する新たな指針を提供するものとして、重要な意義を持ちます。

今後は摂取タイミングの個別最適化や、習慣的カフェイン摂取者との比較など、より現実的な条件での応用研究が期待されます。

この夏、パフォーマンスを最大にしたいなら、カフェイン摂取の“タイミング”にもこだわってみてはいかがでしょうか?

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参考文献

暑熱下では運動中のカフェイン摂取によりパフォーマンスが向上する
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20250625141500.html

元論文

In-Exercise Caffeine Improves Exercise Performance in the Heat Without Exacerbating Hyperventilation and Brain Hypoperfusion
https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000003792

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部