このタイランド・プリビレッジは、富裕層をタイに呼び込みたい、という意図が明確なビザだと言えます。

各国でデジタルノマドビザが登場

近年、各国でデジタルノマドビザが登場しています。

デジタルノマドビザとは、インターネットが繋がっていればどこでも仕事をできる人が住むためのビザです。先ほどの不動産投資でとれるビザやタイプリビレッジと同様、このデジタルノマドビザにも明確な意図があります。

まず、①デジタルノマドと言われる人達の多くが若い技術者ですが、こうした人達に住んでもらい、自国で消費・投資をして欲しいということです。また、②デジタルノマドが住むことによって、自国の産業などへの好影響も期待しているでしょう。さらに、③普通の労働者とは違って、自国の労働者の仕事を奪うことは無いという理由も大きいでしょう。

こうした理由から、韓国、マレーシアなど各国でデジタルノマドビザが登場しています。

タイDTV登場

そんな中、2024年7月、タイでDTV(Destination Thailand Visa)が登場しました。

このDTVは、DTVでタイに居住しながら外国企業向けに仕事することができることを明言しているビザであり、いわゆるデジタルノマドビザです。

ちなみに、タイ国内でムエタイやタイ料理を学ぶ人もDTVを取得できるというのが、タイらしくユニークです。

フリーランスで得た報酬、日本でもタイでも非課税にできる?

ここで気になるのは、タイ在住のフリーランスとして得た報酬にかかる税金です。

現行のタイの税法上、タイの国内で得られた所得についてはタイの所得税が課されますが、タイの国外で得られた所得でタイに持ち込まれていないものには、所得税は課されません。

そして、DTVを使ってタイに居住しているウェブマーケターが、日本の会社から委託されて仕事を行い日本企業から得た報酬は、一般的に、タイ国外所得と考えられており、そうすると、タイに持ち込まない限りは課税されません。