たとえば蕎麦屋を80歳まで続け、年平均で350万円ほどの所得があったとすると、上記の表にある「5500万円」という数字は実はあらかたまかなえてしまう計算になります。
・自分で資産形成する余地がある
厚生年金と健康保険に強制的に加入させられ約30%の保険料が天引きされるサラリーマンと違い、彼らは国民年金と自治体ごとに異なる国民健康保険(一部の業種は国民健康保険組合)に加入しています。
国民年金は定額だし、確定申告でいろいろ調整できるので国保もそこまでの負担感はないはず。
結果、確かに受け取る年金額は少ないかもしれませんが、その分、自分で老後に備えて資産を形成する余地は勤め人より多いんですね。
まとめると、老後は年金だけでは生きていけないと早いうちから腹をくくり、体が動くうちは働くぞと手に職をつけたり自己節制をし、入ってくるだけ使うのではなしに貯金でも運用でもかまわないのでそっちに回しておく。
それが出来ているなら、少なくともそう簡単に老後に詰むなんてことはないだろうというのが筆者の見方ですね。それってそんなハードルの高い話でもないでしょう(苦笑)
そういう意味では、自営業よりもっと危機感を持つべき人は他にいるでしょう。
というのも、わが国には払い込まれた保険料を本来の目的外のことに流用していたり、給付の一方的な切り下げを繰り返したりしている超悪質保険があるから。
そこにどっぷり首まで漬かって、完全に老後の生殺与奪の権を握られてしまっているという人こそ、危機感を抱くべきじゃあないでしょうか。
その超悪質な保険とは公的保険であり、やっているのは国ですね。そして危機感を持つべきなのはサラリーマンです。
そうそう、つい先日もサラリーマンの社会保険料の“流用”が決まったばかり。これが上手くいっちゃうと年金官僚も政治家も味をしめてまたあれこれ理由をつけて流用しまくるんじゃないでしょうか。