研究チームは、糖尿病リスクの増加の鍵は「慢性的ストレス」に対する「生理的反応」にあると考えています。

人と接する職場では、しばしば「本音と建前」の間で感情をコントロールしなければならず、それが持続的なストレスとなって蓄積します。

このストレスは、神経内分泌系に影響を及ぼし、コルチゾールというストレスホルモンを過剰に分泌させます。

コルチゾールの増加は、インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)を引き起こし、さらには血糖値を上げる方向に働きます。

加えて、慢性的ストレスは炎症性サイトカインの活性化を通じて、インスリンの働きを阻害することも分かっています。

つまり、感情労働と対人ストレスの蓄積は、身体の代謝バランスを崩す要因となるのです。

研究者たちは今後、より詳細な生理学的メカニズムの解明や、労働環境の改善による予防策の開発が重要だと指摘しています。

人と接する仕事は社会にとって不可欠で、これからもなくなることはありません。

だからこそ、働く人々の健康を守る環境づくりがますます重要になってくるのです。

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参考文献

Up to 47% higher risk of diabetes may stem from these demanding jobs
https://newatlas.com/diabetes/diabetes-conflict-communication-work/

The stress of working with people is linked with type 2 diabetes
https://www.scimex.org/newsfeed/the-stress-of-working-with-people-linked-to-type-2-diabetes

元論文

The stress of working with people is linked with type 2 diabetes
https://doi.org/10.1136/oemed-2025-110088