そして研究チームは、新しいキリオリガミ構造の性能を実証するため、「145個のLEDチップを取り付けたフレキシブルディスプレイ」を試作しました。
このディスプレイには512本もの折り線が存在し、全体を引っ張ることで自動的に折り上げが行われます。

結果として、伸縮させてもすべてのLEDが正常に点灯し続けることが確認されました。
硬い電子部品を使いながらも構造によって柔軟性を確保できたのです。
この技術により、これまで困難だった「高性能電子部品のフレキシブル化」が現実のものとなるかもしれません。
今後、「衣服や肌に密着するウェアラブル機器」「折りたためるスマホ」「柔らかく安全な人間支援ロボット」への応用が期待されます。
また、折り紙・切り紙の構造力学と電子工学の融合という点においても、機械工学や材料科学の分野に新しい波をもたらすことでしょう。
研究者らは、既に国際的な学術用語になっている「『Origami』『Kirigami』に続いて、『Kiri-origami』という単語も広まってほしいと語っています。
日本の伝統が、世界の未来を変える鍵になるかもしれません。
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参考文献
折り紙と切り紙の融合
https://www.waseda.jp/inst/research/news/81239
元論文
Stretch-based kirigami structure with folding lines for stretchable electronics
https://doi.org/10.1038/s41528-025-00409-4
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。