口座開設数業界第2位の「楽天証券」。取引するたびに楽天スーパーポイントを貯められて、貯めたポイントを投資にも充てられるのが魅力だ。他にも、取扱銘柄数、充実したツールなど楽天証券で口座開設をするメリットは多くある。そんな優れたサービスの数々を分かりやすく紹介しよう。

目次
1,楽天証券の特徴
2,取引手数料を紹介
3,3つのお得なポイントサービス
4,便利な2つの高機能ツール
5,豊富な投資信託取扱本数
6, 2つのデメリット
7,楽天証券に向いている人

1,楽天証券の特徴

楽天証券の主な特徴は

  • 業界最低水準の手数料
  • 充実したポイントサービスの仕組み
  • 便利なツール
  • 取り扱う投資信託の豊富さ

    の4点であると言える。それぞれの詳細を見ていこう。

2,楽天証券の取引手数料を紹介

まずは証券口座を開設する時に、もっとも気になるであろう取引手数料について紹介しよう。楽天証券の取引手数料は業界最低水準を誇っており、取引手数料が発生する場合にはポイントが原則的に取引手数料の1%分付与されるということ。そのため、実質的には表示される手数料より1%安いイメージをもってもよい。

現物・信用取引の手数料はいくら?

取引手数料(現物・信用)のコースとしては、「超割コース」(1約定代金ごとの手数料体系)と「超割コースの大口優遇」、「いちにち定額コース/いちにち信用」(1日定額手数料体系)が用意されている。それぞれの取引手数料コースを以下に紹介しよう(2019年9月25日現在)。手数料はすべて税抜表示であり、楽天証券ホームページを参照して作成した。
 

現物取引手数料一覧

約定代金 超割コース 大口優遇 いちにち定額コース ※
5万円以下 50円 0円 0円
10万円以下 90円
20万円以下 105円 100円 191円
30万円以下 250円 238円 286円
50万円以下 429円
100万円以下 487円 426円 858円
150万円以下 582円 509円 2,000円
200万円以下 921円 806円
300万円以下 3,000円
3,000万円以下 100万円増えるごとに、
1,000円追加
3,000万円超 973円 851円

※「いちにち定額コース」を選んでデイトレードをした場合、返済手数料(片道分)が無料になる「デイトレード割引」が適用される。
 

信用取引手数料一覧

約定代金 超割コース 大口優遇 いちにち信用
(デイトレードに特化した
一般信用取引)
10万円以下 90円 約定代金に関わらず
0円
約定代金に関わらず
0円
20万円以下 135円
50万円以下 180円
50万円超 350円

大口優遇の達成条件は?

以下の条件のいずれかを満たすと、3カ月間大優遇対象となり、現物取引、信用取引ともに手数料が優遇される。さらに、大口優遇対象となった場合、取引手数料の2%分がポイントバックされる。

まいにち判定

  • 本日の信用取引の新規建約定金額合計が5,000万円以上
  • 1カ月の新規建約定金額合計が5億円以上
  • 本日15:30時点の信用建玉残高が5,000万円以上

    まいつき判定

  • 貸株:1カ月の平均残高が5,000万円以上
  • 投資信託:1カ月の平均残高が5,000万円以上

3,楽天グループならではの3つのお得なポイントサービスを紹介

楽天証券には、例えば楽天スーパーポイントの利用やグループ銀行の楽天銀行との口座連携など、楽天グループとしてのグループ力を最大限に活用できるメリットがある。

ポイントサービス1,楽天証券の取引 貯まるのは「楽天証券ポイント」か「楽天スーパーポイント」

楽天証券では、貯めるポイントを楽天証券ポイントか、楽天スーパーポイントのいずれかに指定できる。楽天証券でポイントが貯まるのは以下の場合である。

  1. 超割コースの株式取引手数料(現物・信用)の1%、大口優遇なら取引手数料の2%
  2. 投信積立の買付手数料の全額ポイントバック
  3. 投信残高が50万円以上の場合、「投資信託資産形成ポイント」として、月末の保有額に応じて毎月ポイント付与(一部銘柄は対象外)
  4. 家族や友達を紹介すると、それぞれに200ポイント付与
  5. 取引やサービス利用に応じてキャンペーンポイント付与 楽天証券ポイントは、楽天グループ共通の楽天スーパーポイントかJMBマイルに交換できる。

    楽天スーパーポイントは、楽天グループ内や加盟店ならどこでも使える便利なポイントだ。使い道は主に以下の2通り。

  6. 楽天グループ内、または加盟店での支払いに充当
  7. 投資信託の買付代金の一部あるいは全額に利用 この楽天スーパーポイントを楽天証券の取引やサービスの利用ごとに貯めていけば、ポイントを効率的に貯められる。

ポイントサービス2,楽天銀行との連携口座 「マネーブリッジ」でポイント上乗せと優遇金利、ダブルでお得

楽天証券と楽天銀行との口座連携サービス「マネーブリッジ」に申し込んで、楽天銀行の「ハッピープログラム」にエントリーすると、楽天証券での取引によるポイント付与とは別に、楽天銀行からもそれぞれの取引内容に応じて楽天スーパーポイントがプレゼントされる。

楽天銀行と口座連携させてハッピープログラムにエントリーしておくだけで、ポイントが楽天証券と楽天銀行の双方から付与されるので、楽天スーパーポイントが倍のスピードで貯まるので非常にお得だ。

その上、「マネーブリッジ」を利用すれば、楽天銀行の普通預金金利が0.1%に大幅アップする。この金利は、2019年9月現在のメガバンクの普通預金金利の100倍、非マネーブリッジの楽天銀行普通預金金利の50倍に相当する。

楽天証券ユーザーが、マネーブリッジに申し込んで、100万円の待機資金を楽天銀行に1年間預けると、1,000円もの金利(税抜)が付くことになる。ポイント倍増と普通預金金利の大幅アップ、ダブルでお得になる特典は、同じグループに証券会社と銀行があるからこそ実現できるサービスだろう。

ただし、ハッピープログラムのポイントプレゼントのうち、投資信託については注意が必要だ。毎月、投資信託の残高10万円ごとに楽天銀行から4ポイントが付与されるが、このポイントプレゼントの対象になると、楽天証券の「投資信託資産形成ポイント」を受けられない。

ポイントサービス3,楽天カード利用 投信積立の楽天カード決済でポイント付与

楽天証券で投信積立をすると、通常、買付手数料の全額分がポイントバックされる。これに加えて、毎月の引き落としを楽天カードクレジット決済にすると、楽天カードから、積立額100円につき1ポイントの楽天スーパーポイントがプレゼントされる。

楽天スーパーポイントユーザーなら、楽天カードを保有する人も多いはず。ネット上の手続きで楽天カードクレジット決済に変更するだけで、ポイントがさらに上乗せされるので、ぜひ覚えておきたいテクニックだ。

4,楽天証券で利用できる2つの高機能ツール

楽天証券は手数料とポイントサービス以外にも高機能トレーディングツールとスマートフォン向けアプリで高い評判を獲得している。機能性や情報量などいずれも優れており、楽天証券で取引するならぜひとも活用したい逸品だ。

ツール1,高機能トレーディングツールの代名詞――「MARKET SPEED」シリーズ

楽天証券の「MARKET SPEED(マーケットスピード)」シリーズは、圧倒的な情報量と機能性の高さが魅力の高機能・高性能トレーディングツールの決定版だ。

マーケットスピードシリーズは、投資対象別やOS別にツールが展開されている。2019年9月25日現在では、Windows版「マーケットスピード」、Mac版「マーケットスピードfor Mac」、FX専用のWindows版「マーケットスピードFX」、商品先物専用のブラウザ版「マーケットスピードCX」、そして株式投資専用のWindows版「マーケットスピードⅡ」をいずれも無料で使用できる。

中でもマーケットスピードシリーズの基本となるのはWindows版「マーケットスピード」である。

取引できるのは、国内株式(現物・信用)から米国株式、為替、日経225先物、オプション、海外先物、カバードワラントまで多岐にわたる。多種多様な商品に投資したい人でも、このツールさえあれば、ほとんどの取引ができる優れものだ。

ベーシック機能として、20種類以上の分析チャート、リアルタイムランキング機能、そして楽天版日経テレコン(無料)が搭載されている。

マーケットスピードのオリジナル機能としては、ドラッグ&ドロップで注文できる「武蔵」や、ワンクリック発注が可能な「エクスプレス注文」、好みの刻みで板の気配数量の合計を表示できる「まとめ板機能」が装備されている。

リアルタイムの旬な情報や豊富な投資情報で、アクティブトレーダーの投資を強力にバックアップできるツールだ。

ツール2,スマートフォン向けアプリ――「iSPEED」シリーズ

スマートフォン向けアプリ「iSPEED」は、PC版ツール並みの多彩で豊富な投資情報が利用できる。株価、市況、ニュース、チャートなどさまざまな投資情報を投資スタイルにあわせてカスタマイズできるだけでなく、楽天証券ユーザーなら日経テレコンも無料で閲覧可能だ。

最短3タップでスピード注文できるので、忙しいビジネスパーソンや、外出がちだが機会を逃したくないユーザーには最適なアプリだ。

マーケットスピードシリーズ同様、iSPEEDシリーズも株専用(iPhone/Android)、iPad用、FX、先物・オプション、CX(国内商品先物)別にアプリが提供されている。iPhoneと連携するApple Watch版iSPEEDもある。

5,投資信託の取扱銘柄数、ノーロード数などを紹介

楽天証券が取り扱う投資信託銘柄数はネット証券業界No.1だ。同時にNISAやつみたてNISAで購入できる数多くのノーロード銘柄も存在する。

投資信託の取扱銘柄数 銘柄数はネット証券No.1 

2019年9月17日現在、外貨建てMMFやMMFを含む投資信託件数は2,649件にものぼり、そのうち買付手数料無料のノーロード件数は1,356件だ。どちらもネット証券最大手のSBI証券(2019年9月25日現在の取扱投信件数2,647件、ノーロード件数1,333件)に並ぶ豊富さを誇る。

投資信託で資産形成したい人にとって、選択肢が増えることになって利便性が増す。

投資信託の取扱件数のうち、ノーロードの件数は全体の2分の1を占めているため、低コストにこだわる投資家のニーズにも十分応えることができるだろう。

NISA口座対象投資信託はすべてノーロード

楽天証券のNISAとつみたてNISAの対象となる株式投資信託は、2019年9月25日現在で、151件である。そのすべてがノーロードになっている。

一般NISAの非課税枠として年間120万円分が5年間、つみたてNISAの非課税枠として年間40万円分が20年間確保できる。この非課税枠を最大限に利用して、将来に向けて無駄なく資産形成を図りたい人にとっては、楽天証券のNISA対象投資信託は理想的な投資対象だ。

コストをギリギリまで抑えながら、株式よりも低いリスクで運用可能。その上、投資信託を使った分散投資でリスク分散もできるため、楽天証券でNISA口座またはつみたてNISA口座を開設した人は、投資信託を検討する価値は十分にあるはずだ。

ブル・ベア型でも特定の楽天ETFならノーロード

ブル・ベア型、もしくはレバレッジ型・インバース型と呼ばれるファンドは、一般的には一定の買付手数料が必要になる。しかし、特定のブル・ベア型楽天レバレッジETFなら買付手数料は無料だ。低コストで指標の値動きを大幅に上回る投資成果を期待できるので大注目だ。

楽天証券で購入できるノーロードのブル・ベア型ETFは次の2件

  • 楽天225ダブルブル(楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型)
  • 楽天225ダブルベア(楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型)

    こうしたブル・ベア型ETFは現物取引の一種であり、投資金額以上の投資はできない仕組みだ。一方で、レバレッジをかけて先物やオプションでファンドを運用しており、大きな利益を狙った金融商品でもある。

    ブル型は相場の上昇局面で指標を大幅に上回る利益を期待できる。また、ベア型は下落局面においては逆の値動きをして大きな利益を期待できるのが特徴だ。

    ノーロードのブル・ベア型楽天ETFなら、低コストで大きな利益を見込めるものの、商品の特性上値動きが大きく、損失が大きくなるリスクもある。投資に不慣れな人は、投資に慣れて相場観が身に付いた頃に挑戦してみるとよいだろう。

楽天証券の海外ETFの取扱い商品数も豊富

楽天証券らしさが際立つのは海外ETFである。2019年9月25日現在で596件にものぼる取扱件数で、SBI証券の約360件、マネックス証券の285件を大きく引き離している。

取り扱う海外ETFの上場市場は香港、東証、NASDAQ、NYSE Arca、シンガポールが中心になっており、日本はもちろんのこと、香港、中国、アジア全域、インド、中国、韓国、グローバル、アメリカ、ロシア、台湾、ブラジル、ベトナム、タイ、インドネシアなど、世界各国を投資対象としている。

海外ETFを購入すれば、比較的低コストで、世界中を対象に一度に投資することができる。世界中に資産を分散投資したい人には、楽天証券の豊富な海外ETFは魅力的だ。

6,楽天証券の2つのデメリット

口座開設の魅力を多く持つ楽天証券だが、多少の弱点も存在する。

デメリット1,IPOの取扱銘柄数が少ない

2017年4月1日~2018年3月31日(IPO取扱中断期間を含む)に上場したIPO銘柄の楽天証券取扱件数は4件、2018年4月1日~2019年3月31日の期間は13件であった。

IPO投資を主体に考える投資家には、楽天証券のIPOは、完全平等抽選で公平感はあるものの、取扱件数が少ないため物足らなさを感じるだろう。今後、IPO取扱銘柄数を増やす可能性もあるので、楽天証券の動向を十分注視したい。

デメリット2,単元未満株の売買ができない

楽天証券では、単元未満株の取り扱いは買取請求だけであり、売買することはできない。

資金が少なく少額取引を考えている人や、株式分割などで単元未満株が生じたら、買い増して単元株にしたいと考えている人には、楽天証券は不向きかもしれない。

7,楽天市場をよく利用する人は検討を 

楽天証券は取引手数料の安さやトレーディングツールまたはスマートフォン向けアプリの高い機能性に注目が集まりやすい。それ以外にも、豊富な投資信託銘柄や海外ETF、ノーロード件数の多さなど、コストやリスクに敏感な投資家も納得の品揃えとなっている。

さらに、忘れてはならないのが楽天グループとしての利便性の高さだ。楽天証券、楽天銀行、そして楽天カードの連携で、効率良くポイントを貯めながら、投資運用を図ることができる。楽天市場で買い物をすることが多い人、楽天カードを持っている人は一度検討してみる価値があるだろう。

文・近藤真理(フリーライター)

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