こんなことをやっていたら信用を失って仮に今度の参議院選挙を乗り切ったところでその後の補正予算等々が通せなくなるだけですから。

でもそんな一手先の事も考えられないのは飼い主である岸田文雄と同じ。

この「自民党の不良在庫集めました内閣」の特徴でもあると思います。

今回の野党7党共同提出のガソリン暫定税率廃止法案の内容も大問題です。

すごく短い法案なので読めばわかりますが、法案成立後に7月1日に直ちにガソリン暫定税率廃止を実行するとだけあり、それによって生じる損害等については「政府が補填しろ」としか書いていません。

暫定税率適用前と後の現場の価格差の対策をどうするとか、そういう具体的な話は全くありません。

ブログ主もガソリン暫定税率廃止には賛成ですが、だからと言って何の対策も全く講じずに突然止めるのは問題がありすぎます。

地方自治体も長い事暫定税率による財源を前提に予算を編成しています。

本年度予算はどこの自治体もすでに議会で決めたものでやりくりしています。

そこに突然穴が開くことになります。

こうした予想される現場の混乱についても

「政府が補填しろ」

としか書いていない法案で何をどうしろというのでしょうか?

結局の所、予想されうる混乱の尻拭いは全て政府に丸投げする内容になっているのです。

ですからこんな法案を審議時間0で採決しろなんて言われて参議院で「それじゃ審議0で通します」なんてやるわけにいきません。

2008年に民主党が政局を作り出すために参議院のねじれを悪用してガソリン暫定税率を期限切れにさせて突然止めた事がありました。

暫定税率が適用されたガソリンとそうでないガソリンでは価格が違うためガソリンスタンドは混乱、石油元売りも打撃を受けました。

いくらガソリン暫定税率が腐っている制度だとしてもだからと言って後先を全く考えず、

「先週法案が成立したから今週からやれ!」

なんてのは無茶苦茶な話です。