備蓄米は「放出すること」が目的ではなく、コメの「小売価格を下げること」が目的であることを忘れてはならない。
新米は高止まり
これらの状況から、今年の新米も高値が続くと思われる。
コメ騒動前は「1,000~1,300円」で推移していた概算金は、「2,200円弱」にまで高騰している(新潟産コシヒカリ)。この概算金から計算すると、今年の新潟産コシヒカリの小売価格は「4,300円~4,700円程度」(※1 推測値)。新潟はコメ生産量全国1位であり、他の農協の概算金に大きく影響する。残念ながら、コメの価格は高値が続いてしまうのではないだろうか。
山積する課題
農協の価格影響力が強すぎること。価格決定プロセスが不透明であること。コメ市場には解決すべき課題が山積している。そもそも「日本のコメ作りはどうあるべきか」ということさえ明確になっていない。今回のコメ騒動を契機に、将来を見据えたコメ作りのビジョンを構築していただきたい。

農林水産省ウェブサイトより
【注釈】 ※1 推測値 農林水産省公表の相対取引価格・集荷業者流通コスト・小売価格より算出
【参考】
農林水産省 令和6年産米の概算金の設定と相対取引価格の状況 米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等:農林水産省 スーパーでの販売数量・価格の推移:農林水産省 コメ獲得競争 価格の見通しは? JA全農 新潟県本部 概算金3割以上引き上げ 作付け前に買い付けの動きも | NHK 『令和のコメ騒動』(2)コメ価格の一般的な決まり方 食料自給率と安全保障 第11回 | コラム | MRI 三菱総合研究所