港からは先ほどフェリーから見えた高台の団地方面に向かうコミュニティバスバスが出ています。歩いても30分くらいで行けるのですが、暑くてしんどそうなので100円払ってお世話になることにします。

バスに乗って10分もかからずに神社下バス停で下車します。ここがコミュニティバスの終点なのですが、その目の前には驚くべき光景が広がっていました。

かつては多くの炭鉱で働く人とその家族が暮らしていた巨大な団地の跡。今は打ち棄てられてだれも住んでいません。2000年代まで人が住んでいたとは俄に信じがたいです。

かつては人が通っていただろう上層階部分の渡り廊下。

羊羹型の団地が多い中、この棟はデザイン性が高く、建物の規模も大きいのが特徴。

この団地のすぐ近くには池島小・中学校があります。かつて7000人の人口を抱えたころには多くの子どもたちがここで学んでいたと思われますが、今の生徒数は3人。3人でこの規模の建物で学ぶのは生徒たちにとっても寂しいことでしょう。

鬱蒼と茂る蔦に埋もれる旧団地。30年前まで人がここに住んでいたとは俄に信じがたい。

もとは何だったの、この建物…。

池島の高台のエリアには多くの団地が密集しています。ただ建物の殆どは完全な廃墟。この時期になると蔦の葉が団地を飲み込んでいきます。人のいなくなった島が自然に還ってゆく。そんな姿を目の当たりにします。

団地の中にはいくつかの公園があります。かつては多くの子どもたちがここで遊んでいたのでしょうが、先述の通り今の島の児童数は3人。公園も荒れ放題でここで遊ぶ人はいません。

家に風呂がなかった家も多かったようで、このような公衆浴場の跡がありました。給湯管の跡もあってここから湯が配られる棟もあったようです。

緑が生い茂る寂しい道の中に黒猫がいました。

ここの野良猫は人慣れしているようで近づいても逃げることはありません。ただみんな痩せていてあまり元気がない。人が少ないためかエサに恵まれていないようです。