いまだから書ける自分の会社をライブドアに売却した経緯

いままで詳しく話したことはないのですが、先日ですが中小企業のM&Aを専門に扱うベネフィットM&Aコンサルタンツの田中さんと話す機会があり、自分がそれまでやっていたスプートニクという会社をライブドアにM&Aしてもらったときのいろいろな思い出が錯綜しました。

今回はいままであまり書いたこともなかったのですが、このときの流れや「企業は手に余ると思ったときは売却もひとつの有効な選択」という話を書きます。

Facebookには書いていますが、私はリクルートに新卒で入社したあと起業し、スプートニクという会社をやっていました。インターネットの黎明期でホリエモンとはその時代からの友人です。ネットに特化して会社を拡大し、資本金も3億を超えるまでに増資しました。そこそこ名が売れていたので出資の話は20社以上から頂きました。実はホリエモンが先にオンザエッヂ(そのあとライブドアになっていまのLINEになりました)を上場させ、たまたま「永江さんも上場しないんですか」と言われてその気になったのが始まりです。

いろんな経済誌にも期待のIT企業として紹介されていましたが、リキッドオーディオという鳴り物入りでマザーズに上場した会社が反社であったことからITバブルは崩壊。この煽りををもろに食らって東証マザーズの上場条件がめちゃくちゃ厳しくなり、ほぼ上場不可能になったわけです。

もともとECのASP(いまでいうshopifyみたいなもの)を開発していて開発費にほとんど資本金をつぎ込み、上場したら入って来たお金で営業や宣伝を大々的にしようとしてたのですが、そのハシゴを外されてしまった。開発はできたものの資本金は底を付いてしまい、売上が上がらないので自分の給料は2年にわたってもらっていませんでした。貯金も底を付きました。生命保険も解約。

会社を売却するという選択

にっちもさっちもいかなくなって夜も寝られなくなり、人型の汗をかくくらいになりました。会社を解散も考えましたが、借り入れがけっこうあって自分が保証人なので個人破産することになります。また頑張ってくれた社員もいる。30人超えていた社員は10数人まで減っていましたが、彼らの生活も考えないといけない。