ただ、これには後日談があります。200億円を儲け、長者番付1位になっただけなら「へぇ、すごい」で終わるのですが、氏がお亡くなりになった時、氏が残したのは2LDKのマンションだけだったというのです。質素倹約で儲けは自身が作った子供を助けるための財団を通じてみんな寄付してしまったのです。

相場はある意味ゼロサムゲームに近いものがあります。厳密には為替はゼロサムですが、株式投資は一般にはゼロサムではありません。ただし、証券会社発表の信用取引の損益率を見れば売り方も買い方もプラスになることはまずないのです。それぐらい相場とは深いもの、そして勝った者は美酒に酔うのもよし、是銀さんのように相場そのものに魅せられ、勝負師としての人生を送り戦勝品は世のために使うのもありでしょう。

奥義とは結局自分で調べぬくしかなく、信念を持つしかないのです。上述のように報道は時としてわかりにくいのです。特に日経など専門紙の場合、記事数が非常に多いため、読む記事によってニュアンスが違うこともあり、何が本当だかわからなくなるのです。このブログのコメント欄にもどこかの記事を参照し、その一部を張り付け、「ほら、こう書いているじゃないか」と主張されることも数多くあります。ただそれはその方の信念と記事が一致したものか、単にそう書いてあるからお前の書く内容よりブランド力があるメディアが正しいのだ、という先入観とも言えるのです。

相場とはとにかく体得するしかありません。是銀さんは相場という類は全て経験したとされます。その中で独特の感を磨くわけです。

実は私も最近ある実験をしているのです。仮想通貨のアービトラージです。相場には様々な種類があり市場も複数あると市場間で微妙に成立価格に差が出ます。この差を利用して儲けることを裁定取引(アービトラージ)というのですが、仮想通貨の場合、この差が出やすいため、アービトラージの格好の対象になるのです。ただ、頭で言われても自分でやってみないとわかりません。そこで英国ロンドンのアービトラージの会社と結んで実験をしているのです。結論を言うと薄利多売型。つまり1回当たりの儲けは少ないので売買を頻繁にする必要があるのです。これが面倒くさい、つまり私の性分に全く合わないのです。なのでもう契約を破棄して止めるところです。小銭稼ぎというよりこういう世界もあることを知っただけでも十分なのです。