国家ベースで見た場合、所得は国家(税金)、企業(利益)、個人家計(個人所得)に分類されます。これがどのように配分されるか次第なのです。日本の場合、歴史的に国家が個人家計を吸い上げる仕組みです。例えば江戸時代の幕府と藩の力関係を見てもわかるように藩が裕福になり発言権が強くなるのを恐れ、藩の財政を厳しくすることを目指したのです。今の日本の財政も発想の原点は搾取の時代である日本の近代化以前の仕組みがそのまま残っていないとは言えないでしょう。

一方、不思議と企業の利益は誰も何も言わないのです。その企業は投資先がなく、投資に対する失敗も恐れるため、保守的企業行動となり、内部留保だらけになっています。とすると国家規模でみるなら企業の蓄えを放出させるのが理に適っているとも言えます。国がやらないので海外を中心とした物言う株主たちが企業のがま口を開けさせているわけです。

この所得分配のバランスを再構築すれば日本人の所得は上昇し、国家財政にもたらす税収も増大し、企業は胡坐をかけなくなる、とも言えないでしょうか?実際には企業が給与を大幅に増やし、個人家計を改善し、その結果、所得税や消費税を通じた国家財政への還元すればよいのです。

話があちらこちらに飛びましたが、視点はいろいろあるのだと思います。そして誰がそれをどう動かすか次第で我々が知らなかった世界に誘うことも可能だと私は思っています。これがバランスある経済力であり、それを担うのが政治力だと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年6月19日の記事より転載させていただきました。