これは日本が消費大国にもかかわらず、懐にため込む性格も見て取れます。そして私が時折指摘するように多くの富裕層は不動産という非流動化資産が中心であり、現金や同等物が少ないのです。(そういう私もそうです。)となると北米の人のようにパッパとお金が払えないということはあるのでしょう。
日本人はセロトニンが足りないから心配性なのだ、という点もあります。アメリカ人やカナダ人を見ていると介護保険といった仕組みが皆無でありながらそれが社会問題に発展しないのは政府に頼れないため自助の発想があるからかもしれません。故に自助できない人は後々苦しむし、しっかり準備し、自己コントロールできる人は長く幸福な生活をしています。
日本の場合は政府や国家が国民全体の長生きを支えようとする仕組みがあり、国民はそれに乗っかれるという特典があるのですが、見方を変えれば自立を妨げる弊害にもなりうるわけです。故に私が時々苦言を呈するように健康保険料や介護保険料が給与から一律で天引きされることは果たして良いことなのか、と思う訳です。これでは健康な人ほど損をする話になるのです。
当地ブリティッシュコロンビア州の自動車保険は州営なので保険会社が1つしかありません。その保険会社は10年前は大赤字でした。今の州首相が当時、おおなたを振るい、事故る人や違反の多い人の保険料を無謀なくらいの金額にすると同時に無事故者には大幅な減額としたのです。つまりメリハリをつけたのですね。その結果、今の保険料は当時に比べ4-5割下がり、かつ、保険会社が儲かった年には保険料還元イヤーがあるのです。今年も1万円相当の還付がありました。日本の健康保険制度もこのように個人の療養費ベースで保険料設定が出来たら面白いですよね。そうすれば少なくとも所得の多少の向上は達成できると思います。(日本の場合、これを言うと野党から姥捨て山と批判をされるのですが、ゼロか100かの極端な議論をしようという訳ではない点をご理解いただきたいと思います。)