認知能力は、大きく2つに分けられる。1つ目は流動性知能で新しい問題を解決する能力だ。こちらは20代後半から30代前半でピークを迎え、その後は徐々に低下する。一般的に「中高年になって頭が劣化した」とされるのはこれを指している。一方で、流動性知能についていえば、経験から得た知識のことであり、こちらは年齢とともに増加し続ける。

ビジネスマンにとって、結晶性知能は特に重要だ。過去の経験を活かした判断力や洞察力は、40代後半から50代前半にかけて高い水準に達する。

一方、流動性知能の低下といっても、40代という時期でもドラスティックに落ちているわけではなく、さらに使い続けていれば劣化速度は明確に緩やかになる。

仕事を続けている40代なら、業務に大きな影響を与えるほどのインパクトはない。やはりこの年代は認知能力全体としては、非常にバランスが取れた状態と言えるだろう。

3. 身体的健康

年齢を重ねると身体的健康は自然と低下する傾向がある。40代以降は「徹夜ができなくなった」「疲れが取れない」といった意見をよく目にする。

しかし、これについては定期的な運動や健康的な生活習慣によって維持可能だ。自分自身、40代になってから筋トレや運動を本格的にするようになったことで、昔より遥かに体力や可動域が高まったという実感がある。

筆者は20代前半の頃、旅行をするとちょくちょく休憩を取らなければ疲れて楽しめなかった。運動不足だったのである。しかし、今は時には子供を背負って旅行しても、一日で2万歩以上歩けるほどに体力がついた。

「中年になって体力がなくなった」という人は今からでも運動をすればかなりの程度取り戻すことができる。こちらも決定的な問題にはならない。

4. モチベーション

中高年になると人生の先が見えたり、能力の限界を感じてモチベーションが下がる、という話がある。一方で若い頃は野心的でリスクテイクの傾向があるとされる。