「米著作権局「AI訓練とフェアユース」報告書を出版前に発表」のとおり、フェアユースを判定する際、考慮すべき4つの要素のうち最も重要な要素は第4要素の「著作物の市場や価値への影響」である。報告書は生成AIが著作物の市場に与える影響として、「販売機会の喪失、市場の希薄化、ライセンス機会の喪失」という3つの側面に着目、これらはいずれもフェアユース判断に影響を及ぼすと指摘する。
NYタイムズが、アマゾンとの提携によりライセンス市場が成立していることを立証できれば、その機会を奪うオープンAIはフェアユースを主張し難くなる。このようにNYタイムズとしては訴訟を有利に展開するねらいもある。
まとめると、訴訟という強硬手段に訴えつつも条件が合えば提携するという和戦両様作戦は矛盾しているどころか、相乗効果も狙える戦略的な対応といえる。
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