4人目に挙げるのは、現役時代はバイエルン・ミュンヘン(2000-2009)の右サイドバックとして活躍したフランス人指揮官ウィリー・サニョル監督だ。
指導者としては、フランスU-21代表やボルドーの監督、また古巣バイエルンではカルロ・アンチェロッティ監督(現ブラジル代表監督)が解任された後に暫定監督も務めた。2021年からジョージア代表監督に就任。UEFAネーションズリーグでグループ首位に導き、2024年の欧州選手権本大会出場を果たした。戦術は【4-2-3-1】や【3-5-2】を採用し、ウイングバックを活用した攻撃的なスタイルが特徴だ。
サニョル監督の魅力は、その若さと欧州サッカーにおける戦術トレンドへの理解だ。48歳という年齢は、選手とのコミュニケーションや現代サッカーのトレンドに適応する上で有利に働くだろう。特に、ジョージア代表ではMFクヴィチャ・クヴァラツヘリア(インテル)のようなスター選手を効果的に起用しており、久保や三笘のようなアタッカーを活かす戦術の構築が期待できる。また、バイエルン時代に培ったプロフェッショナリズムは、欧州でプレーする日本選手たちとの信頼関係構築に役立つ。
サニョル監督の【3-5-2】システムは、冨安や板倉を3バックの中心に据え、DF菅原由勢やDF伊藤洋輝をウイングバックとして生かす可能性があり、これにより守備の安定と攻撃の幅を両立できる。経験不足は否めず、今やW杯常連国となった日本代表を率いるプレッシャーへの対応は未知数だが、彼の攻撃的なサッカーは新たな可能性を引き出すかもしれない。

ミヒャエル・スキッベ監督(59歳/サンフレッチェ広島監督)
最後に1人だけ、Jリーグから候補を挙げたい。2022シーズンからサンフレッチェ広島を率い、いきなりルヴァン杯を制してみせたドイツ人指揮官ミヒャエル・スキッベ監督だ。