人気の低迷には構造的な理由もある。W杯と言えど、出場するのは国の代表ではなく都市を代表するクラブだ。国の代表チームのサポーターが国民なのに対して、クラブW杯に出場するのは都市や地域に根ざしたチームで人口規模が小さい。「自分の国のクラブだから応援しよう」という人もいるが、やはり代表チームほどの熱狂は生み出せていない。

今クラブW杯では、南米から強豪国ブラジルの4クラブ(パウメイラス、フラメンゴ、フルミネンシ、ボタフォーゴ)とアルゼンチンの2クラブ(ボカ・ジュニアーズ、リーベル・プレート)が参加。欧州(イングランド、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル各2クラブ、フランス1クラブ)が国がバラけているのに対し偏りがあり、国によって大会の盛り上がりに温度差を生じさせる可能性があるだろう。


トヨタカップ 写真:Getty Images

日本では盛り上がる?浦和レッズの参戦

クラブW杯の前史としては、欧州王者と南米王者がホーム&アウェーで対戦してクラブ世界一を決する「インターコンチネンタルカップ」が1960年に始まった。南米での試合が大荒れするため、1981年からは中立地の日本で1試合を行う「トヨタカップ」になった。

2000年大会(第1回大会)から拡大路線にかじを切るが、試合数の増加に伴い選手やクラブの拒否反応が顕著化。また開催国側が巨額の賞金を用意するようになり、日本はなかなか手が出せない大会になってしまった。そう考えると、サッカー冬の時代に日本で開催されていたクラブ世界最高峰の公式戦トヨタカップは、実に貴重な機会だった。

日本からはどんどん離れていってしまう感があるが、トヨタカップ時代にはありえなかった日本クラブの参戦の可能性は高まっている。前回2023年大会までは、6大陸別の各大陸代表選出大会における優勝クラブが出場。新大会では、各大陸の王者とFIFAが算出するクラブランキング上位の合計32チームが参加となった。