ただし競技の公平性を考えると、地域によって参加賞金が異なるというのは、結局のところ地域格差を温存する構造になっていると言わざるをえないだろう。

W杯プレ大会に。盛りが過ぎたチームが出る可能性
新クラブW杯は、代表チームによるFIFAワールドカップのフォーマットに合わせ、4年に1度開催となり規模が拡大された。欧州主要リーグのオフシーズンという、本来は選手たちが休暇を取る時期に開催される。W杯と大陸連盟が主催する大会(ユーロ、コパ・アメリカ、アジアカップなど)に、規模拡大されたクラブW杯が加わるのだから、主要国の代表選手にもはやまともな休暇はほとんど残されていない。
今回クラブW杯に参加するチームから、現在アル・ナスル所属のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドに出場オファーが殺到したというが、全てに参加するのは無理だとして断ったという。
選手たちは馬車馬のように酷使されているが、賞金というニンジンをぶら下げてどうにか走らせている状況だ。根本的に過密日程ではあるが、資金を選手獲得に充てて選手層を厚くすれば各選手の負担は軽減されることになる。
2026年には北中米W杯が開催される。クラブW杯はこれからW杯の前年開催になるため、世界最大のスポーツイベントのプレ大会として準備的な位置付けになり、大会の存在意義が一つ加わった。
一方で、出場権を獲得してから大会開催までに数年が経過するクラブも出てくるため、選手の顔ぶれやチーム力がピークを過ぎる可能性があるだろう。

世界的な熱狂を生み出せる?国ではなく都市代表
クラブW杯は「ワールドカップ」と銘打っておきながら代表チームのW杯に比べて注目度が低く、試合によっては観客席が埋まらないという課題があった。毎年ではなく4年に1度開催という特別感を出すことで、観客動員や視聴者数が改善するか注目だ。