私たちは、TVやYouTubeなど、膨大なコンテンツから自由に選んで楽しむことができます。
しかし、それらのコンテンツを味わっていても、「どこか虚しい」「退屈だ」と感じる人は少なくありません。
カナダのトロント大学(University of Toronto)心理学部に所属するケイティ・YY・タム氏ら研究チームは、その原因が「チャンネルを次々と切り換える」ことから来ていると指摘しています。
私たちは、退屈から逃れて、より効率的に楽しむ目的でチャンネルを切り換えるものですが、実はその行為が退屈を増長させていたのです。
この研究は、2024年10月に科学雑誌『Journal of Experimental Psychology: General』に掲載されています。
目次
- コンテンツは増えているのに、年々人の退屈レベルは増加している
- チャンネルを次々に切り替える行為は退屈レベルを高める
コンテンツは増えているのに、年々人の退屈レベルは増加している
誰しもTVのリモコンを持って、チャンネルを次々に切り替えていくことがあるでしょう。
同じように動画再生を途中で切り上げてYouTubeの関連動画を次々にクリックすることもあるはずです。
また1つの動画を見る場合でも、シークバーを操作し、動画をスキップしながら見る人も少なくないでしょう。
TVに関してはザッピングという言葉もありますが、タム氏ら研究チームは、ネットの動画視聴も含めたこの行為を「デジタル・スイッチング(digital switching)」と呼んでいます。

私たちは、「短時間で複数のコンテンツをチェックし、より効率的に自分を楽しませる」目的で、これを行います。
しかし実際、チェンネルを次々に切り替えている時、またその後の私たちの気持ちはどうでしょうか。