最後にボーナス時期になり一部の方は株式投資へ資金を振り向けたいと思う方もいらっしゃるでしょう。今は木を見るより森を見たほうが良い気がします。私の見方はプライム市場よりグロース市場人気がもうしばし続くと見ています。理由は2つ。1つは世界経済が不安定になれば海外売上比率が多く海外投資家の資金に影響されるプライム市場より個人投資家主体のグロース市場に面白みが出ること、もう1つは東証改革が進む中で一部企業が退場予備軍となるなどグロース市場に上場する企業が焦っており、必死の浮上策、上場維持策を取るとみているからです。それが好循環になれば株価が化ける企業も出てくるかもです。
緻密な戦略だったイスラエルとその代償
イスラエルがハマスやヒスボラを徹底的に締め上げてきたのはイランの影響下にある「実行部隊」だとみなしているからです。その前線部隊の弱体化に成功したイスラエルとしては御大イランが核を持たないようにするのが本当の目的であったことは言うまでもありません。一方、アメリカがイランと核開発協議を行ってきていますが、隔たりが大きく全くすり寄る気配がありません。これはイスラエルがアメリカに様々な依頼をした代理交渉的な要素が強いのではないかと思うのです。アメリカとイスラエルはグルと言ってしまえばその通りになります。
よってルビオ国務長官は「アメリカは関係ない」と白々しく述べていますが、イランはそれがウソだというのがわかっており、故に中東にあるアメリカ関連施設も攻撃対象になっているし、アメリカ政府関係者の退避が進むわけです。トランプ氏はイスラエル容認姿勢を見せているため、個人的にはこれは非常に面倒なことになって来たとみています。ネタニヤフ首相は満足するまでやると述べているのでハマスのケースから類推するに相当執拗な攻撃を行う公算は高いと思います。
最悪のシナリオを想定しましょう。イランがアメリカ施設を攻撃した場合、アメリカがイランと直接交戦のリスクが出てくるのです。トランプ氏の政治的手腕がこのところ不発なので全精力を傾けるでしょう。そこで脇が甘くなったところを待っているのがロシアのプーチン氏です。先日「第三次世界大戦は起こりうるのか?」と書かせていただいた時、コメントには「大戦はない」という御意見をたくさん頂いています。ただ、世界は性善説ではないのです。日本の常識は世界には通用しないのです。古い話ですが、戦前、平沼騏一郎首相が「欧州の天地は複雑怪奇」とのべて首相を辞任しましたが、時として狂信的で狂った歯車が暴走することもある点は心構えとして意識した方がよろしい気がします。