この研究は、「年の差カップル」について、性別と年齢差の方向によって幸福の感じ方が異なることを明らかにしました。
男性では、伝統的な価値観と一致する「年下女性との交際」で関係満足度と幸福感が高まる傾向が見られました。背景には、文化的な期待、たとえば「男性がリードするべき」という通念や、経済的・経験的な優位性から得られる心理的な安定感があると考えられます。
一方女性では、パートナーの年齢差そのものは幸福感に大きな影響を及ぼしておらず、どちらが年上かという点よりも「どれだけ性的に満たされているか」が幸福感の大きな鍵となっていました。
年下男性との関係では、身体的な活力や協調性の高さによって性的満足度が高まりやすく、そのことが総合的な幸福感を押し上げる傾向は見られましたが、とはいえ、年上男性と交際する女性が満足していないというわけではありません。年上男性の場合、技術や経験の豊かさによって同様に女性の満足を高める可能性もあり、女性にとっては年齢差の方向性よりも「性的に満たされているかどうか」の方が重要だという姿が見えてきます。
海外のネット上ではこの研究に対して、男性の年齢が経済的な安定性につながっている点も無視できない要因だろうと議論されています。(今回の研究では経済的な要因は調査されていません)
この視点から考えると、社会的に年上男性と年下女性のカップルが成立しやすいのは、男性側の幸福感の高さと、女性側の求める満足感が一致しやすいためと捉えることもできるでしょう。
こうした結果から見えてくるのは、私たちの恋愛観や幸福感が、社会的なステレオタイプや役割意識に少なからず影響を受けているという事実です。
相手のことを好きかどうかはもちろん重要ですが、男性にとっては関係の満足度に社会的な役割や立場はどうしても影響してしまうようです。
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参考文献
Older women dating younger men report higher sexual satisfaction, study finds