また、この関係満足度の高さは、性機能や性的な自信(性的自己効力感)にも良い影響を与えていることが示されました。つまり、恋愛関係に満足している男性ほど、性行為にも前向きで自信を持ちやすくなり、その結果として心の幸福感も高まりやすいという構図が見られたのです。
実際に今回の調査では、男性が7歳以上年下の女性と交際している場合、関係満足度が年上女性との交際時よりも明確に高くなる傾向が見られました。この違いは統計的にも有意であり、「パートナーが年下かどうか」が男性の恋愛満足度において大きな影響を及ぼしていることが示唆されています。
一方で、年上女性と付き合っている若い男性では、射精困難や性的自信の低下などの問題を訴える傾向が強く、性的満足度はやや低い傾向がありました。
これは、「年上のパートナーに見合う自分でいなければならない」というプレッシャーや、社会的な性役割の逆転による心理的なストレスが影響している可能性があります。

対して女性では、年下男性と付き合っている場合に、性的な満足度が特に高いという傾向が見られました。具体的には、性的興奮、潤滑、オーガズム、痛みの少なさといった項目で高い評価が得られています。
研究者たちは、これは若い男性の身体的な活力や柔軟性、さらには心理的な協調性が影響している可能性があると述べています。
ただし、男性と異なり、女性の場合は「パートナーが年上あるいは年下であること」自体が関係満足度に明確な影響を与えているとは言えず、年齢差そのものよりも、性的満足度の高さが結果的に幸福感を高めているという構図が見られました。
この結果からは、男性にとっては年下の女性との関係が幸福度が高まりやすく、女性にとっては年齢の方向性は関係満足度自体にはあまり影響せず、性的に満たされるかどうかが重要だったと言えます。